生成AIのエンドユーザ―向けのライセンス契約: ユーザーが知っておくべきこと
生成AIの普及は急速に拡大しており、効率性とイノベーションのための膨大な機会を提供する一方で、新たなリスクも生み出しています。
生成AIシステムのユーザーは、これらの生成AIプラットフォームを管理するエンドユーザーライセンス契約(EULA)が、ユーザープロンプト、成果物の権利と所有権、データプライバシー、コンプライアンスと責任、機密性、及び成果物の使用制限の取扱いの点でかなり多様である可能性があることを認識する必要があります。
今後、生成AIツールのユーザーである企業及び個人は、自分たちの権利を十分に理解するためにEULAをチェックし、潜在的なビジネス及び法的リスクを軽減するために生成AIを対象とする内部ガバナンス手続きを策定する必要があります。
5つのポイント
- ユーザーは、成果物とインプットに関する法的問題がどのように扱われるかを具体的に理解するために、各プラットフォームとバージョンのEULAを詳しく調べる必要があります。
- 機密保持、データプライバシー及びセキュリティ法の意図しない違反、及び企業秘密などの知的財産の喪失を避けるために、生成AIシステムに情報を入力する前に、慎重な検討とレビューを行う必要があります。
- EULAがインプットと成果物の所有権を譲渡するか否かにかかわらず、生成AIの発明者/著作者、第三者の権利に対する成果物の権利侵害の可能性、オープンソースソフトウェアライセンスのコンプライアンスなど、多くの知的財産権の問題が残ります。
- 生成AIの成果物を人間がレビューすることは、不正確又は有害な成果物に関連する責任を回避するために非常に重要です。
- 企業はリスクを最小限に抑えるため生成AIに対応する内部ガバナンス手続きを策定する必要があります。
本コメンタリーは、生成AIの利用が知的財産権やデータプライバシーに与える影響に関心のある日本企業に重要なトピックと考えられることから紹介する次第です。詳細は、Jones Day Commentary “Generative AI End-User License Agreements: What Users Need to Know”(オリジナル英語版)をご参照ください。
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