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欧州委員会、単一市場を歪める外国の補助金に対抗するための規則案を公表

2021年5月5日に発表された規則案における新制度の下で、欧州委員会は、EUの単一市場における外国政府の補助金による歪みに対抗すべく、新たに広範な権限を得ることになります。この提案においては、新たに三つの措置が導入されます。

  • 企業結合の届出の義務化:外国政府の補助金によって促進された企業結合において、買収者は、以下の場合に欧州委員会に事前に届出をすることが必要となります。
  • 買収されるEUの対象企業又は企業結合のEUの当事者の少なくとも1社のEUにおける売上高が5億ユーロ以上であること、かつ
  • 外国政府の補助金が5,000万ユーロ以上であること。
  • 公共調達: 公共調達手続において、入札者は、以下の場合に発注機関に事前通知を行い、受領した外国政府の補助金を開示することが必要となります。
  • 調達契約の見積額が2億5千万ユーロ以上であること、 かつ
  • 通知前の3年間に外国政府の補助金を受けていること。
  • 外国政府の補助金の職権審査: 欧州委員会が、上記2つの手段の閾値を満たさない企業結合や公共調達の手続を含むあらゆる市場状況を調査することを可能とする、外国政府の補助金を審査するための一般的な手段が提案されています。欧州委員会は、当該調査を自発的に開始することができ、アドホックな通知を要求する権限を持つことになります。

欧州委員会は、暫定措置の発動、情報提供の要請、(EU域内および会社の同意を得てEU域外での)会社の検査の実施、会社の非協力に対する措置、罰金及び定期的な違約金の支払の賦課を行う権限を有することになります。

本規則案では、欧州委員会が独占的な権限を持ち、EU加盟国当局の役割はほとんどありません。

本規則案が法令となるためには、今後、欧州議会及びEU加盟国にて検討及び採択される必要があります。

本アラートは、EUにおける海外投資を考えている日本企業にも関心のあるトピックと考えられることから紹介する次第です。詳細は、Jones Day ALERTS “European Commission Publishes Proposal to Counter Foreign Subsidies Distorting the Single Market”(オリジナル英語版)をご参照下さい。

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