豪政府、豪州の沖合石油ガス規制の大幅改正を予定
今月、豪政府は、沖合石油・地球温暖化ガス貯留法(「OPGGSA」)を改正する法案を公開しました。改正案は、沖合石油ガス産業が成熟したことに伴い、豪州における規制の焦点の調整を反映することを目的としています。改正は主に次の2つの分野に及びます。
- 政府承認の必要性の追加
- トレーリング責任条項の拡大
支配権の変更
現在、政府承認は、石油権限のあらゆる委譲に求められています。豪州政府は、政府承認が必要な取引の種類を増やすことで、産業に携わる者に対する更なる精査を行おうとしています。
改正案では、権限保持者の権益の20%以上を取得する取引、または権限保持者の保持している権益を20%以下に減らす取引は、政府承認が必要となります。ジョイントベンチャーにおいては、ある法人が一人の権限保持者の20%以上の持分を取得する場合には、その法人の権益が全体の権益の20%以下であっても、承認が必要となります。
提案された取引を精査する際に、政府は、権限保持者の将来的な技術的及び財政的能力や、取得予定者の過去のコンプライアンスやガバナンスなど、多岐にわたり調査します。
トレーリング責任
豪州石油ガス資産の閉鎖が、近年注目されています。閉鎖に伴うデフォルトのリスクを解消するため、政府は、トレーリング責任の大幅な拡大を提案しています。改正案では、過去の権限保持者やその関連法人も閉鎖又は環境改善の義務を負い、規制当局は現在の権限保持者だけでなく、下記の者を含む様々な者に対し命令を行う広範な権限を与えられます。
- 過去の権限保持者
- 現在及び以前の権限保持者の関連法人
- プロジェクトから多大な金銭的利益を受けていた(若しくは受ける予定の)者、または法人によるOPGGSAの遵守に影響を与える立場にある(若しくは与えた)者
現段階では、トレーリング責任条項は、2021年1月1日以前に失効したもの以外の許可、リース及びライセンスに影響します。
次のステップ
法案に対しては、2021年4月23日までパブリックコメントを提出することができます。法案が連邦議会に正式に提出されるまで、上記の改正内容を注視することが必要です。
本アラートは、オーストラリアのエネルギー事業に関心のあるトピックと考えられることから紹介する次第です。詳細は、Jones Day Alerts “Australian Government Foreshadows Significant Reform to Australia's Offshore Oil & Gas Regulation”(オリジナル英語版)をご参照ください。
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