ドイツ、外資規制の追加変更
2021年1月下旬に対外経済法施行令の第17次改正案が公表されました。採択された第17次改正は概ね当初の草案に沿ったものとなりましたが、ドイツにおける対象会社に関する取引を想定している企業が留意すべき、ドイツの外資規制に関するいくつかの変更点があります。
新規則は、政府に職権調査を開始する権利を与えたり、あるいは、通知義務につながるような閾値を超える追加株式の取得(「トリガーイベント」)が、新たなトリガーイベントにつながる可能性のあることを明示しています。つまり、外国の買主が、2018年にクリアランスを取得後にドイツの対象会社の株式の50%を取得し、今残りの50%を取得しようとする場合、2回目の取引は新たなトリガーイベントとなります。既に保有している75%の株式をさらに増加させる株式の取得だけの場合は、トリガーイベントとはみなされません。
また、第17次改正は、ドイツの外資規制に「支配の取得」という概念を導入しています。ドイツの対象会社の株式取得に付随して取締役の選任権、重要な事業上の決定についての拒否権、ドイツの安全保障と公の秩序に関連する情報へのアクセスを付与する契約は、「支配の取得」とみなされ、結果としてトリガーイベントとなる可能性があります。
新規則は、2021年5月1日以降に署名された取引に適用されます。
本アラートは、ドイツにおける海外投資を考えている日本企業にも関心のあるトピックと考えられることから紹介する次第です。詳細は、Jones Day ALERTS “Additional Changes in German Foreign Direct Investment Control”(オリジナル英語版)をご参照下さい。
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