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US Merger Notification Threshold Increases to

米国における企業結合の届出基準額が119.5百万ドルに増額

連邦取引委員会は、ハート・スコット・ロディノ法(HSR法)における届出基準額が2024年に増額される旨を公表しました。この基準は、企業結合につき連邦政府に対する事前届出の要否を定める(基準額以上のものについて事前届出を求める)ものです。変更後の基準は2024年3月6日から適用され、2025年初めまで効力を有するものと見込まれます。

また連邦取引委員会は、新たな届出手数料基準が同日から適用されることを公表しています。

HSR法の調整後基準

取引規模要件:HSR法の届出は、取引の結果として買収者が取得する被買収者の議決権付き有価証券、非法人持分又は財産の価額(取引規模)が119.5百万ドル超(2023年は111.4百万ドル超)である場合に必要となる可能性があります。取引規模が119.5百万ドル超478百万ドル以下の場合、下記の当事者規模要件も満たせば届出を要します。取引規模が478百万ドル超になる場合、当事者規模要件を満たすかにかかわらず届出を要します。

当事者規模要件:買収者又は被買収者のいずれかの年間売上高又は総資産が239百万ドル以上であり、かつ他方当事者の年間売上高又は総資産が23.9百万ドル以上の場合、当事者規模要件を満たします(2023年は、それぞれ222.7百万ドル、22.3百万ドル)。ただし、被買収者が製造業者ではない場合、被買収者の総資産が23.9百万ドル以上又は年間純売上高が239百万ドル以上でない限り、当事者規模要件を満たしません。

基準の変更は、大要下表のとおりです。

役員兼任基準及び民事制裁金の増額

本年1月、連邦取引委員会は、クレイトン法第8条における役員兼任禁止に関する基準額も引き上げました。第8条は、純資産額が48,559,000ドルを超える競争事業者間でofficer又は取締役としての兼任を禁止します。ただし、一方の会社において競争関係にある事業に係る売上が4,855,900ドルを下回る場合、兼任は禁止されません。

また同月、連邦取引委員会は、HSR法の違反に対する民事制裁金の上限を1日当たり50,120ドルから51,744ドルに増額しました。

このアラートは、米国の企業結合規制に関心を有する日本企業等にとって有用な情報になることから、紹介する次第です。詳細は、Jones Day Alert “U.S. Merger Notification Threshold Increases to $119.5 Million”(オリジナル英語版)も、あわせてご参照ください。

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