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ジョーンズ・デイ・コメンタリー:中国 クロスボーダー貸付関連取引に関する規制を一部緩和

中国国家外貨管理局は、中国企業が関係するクロスボーダー貸付関連取引に関する規制を一部緩和することなどを目的として、跨境担保外汇管理条例(以下「本条例」)及び国家外汇管理局关于境内居民通过特殊目的公司境外投融资及返程投资外汇管理有关问题的通知(以下「本通知」)を発布しました。なお、本条例は2014年6月1日に、本通知は同年7月14日に効力を生じています。
本条例により、中国企業の海外親会社・子会社がオフショア(中国国外)ローンにより資金調達する場合に、当該中国企業が貸付人に保証を提供し又は中国国内資産を担保として提供することに対する規制が大幅に緩和されました。従来は中国国家外貨管理局の許可が必要とされ、許可の取得は実務上非常に困難でしたが、本条例では、関連契約の締結後15営業日以内に中国国家外貨管理局への登録のみ必要とされています。
また、これまで、特殊目的公司(中国居住者(法人又は個人)が特定の目的のために設立・支配する中国国外の法人。以下「海外SPV」)に認められる活動はエクイティファイナンスに限定されていましたが、本通知により広く投融資を行うことが認められ、中国国外での企業買収などの目的で海外SPVを設立することもできるようになりました。海外SPVの資金調達についても、これまでは海外における借入れ及びエクイティファイナンスに限定されていましたが、本通知により、親会社たる中国企業からの借入れも新たに認められるようになりました。

これらの変更は、日本の金融機関による中国企業関連会社への貸付業務や日本企業の中国子会社によるグループ会社への信用供与方法に関して大きな影響を与える可能性があることからご紹介いたします。
詳細は、Jones Day Commentary “Update on PRC Cross-Border Lending Transactions” (オリジナル(英語)版)をご参照ください。