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オーストラリア:2021年1月1日より外国投資の枠組みの大幅な変更が始動

オーストラリア政府は、外国投資の審査の枠組みに大幅な変更を加えました。この変更における最も重要な点は、オーストラリアの国家安全保障上もセンシティブな不動産や事業の買収の審査を強化したことです。

オーストラリアで事業や不動産を取得する投資家や企業が国家安全保障に関わる事業について直接権益を取得することについて、外国投資審査委員会(Foreign Investment Review Board)の承認を得るための義務が強化されました。また、オーストラリア政府は、国家安全保障上のリスクをもたらす可能性のある買収や行為を審査するための新たな「審査請求権」及び過去に承認された取引を審査するための「最終審査権」を含めて、海外からの買収を審査する権限を強化しています。

オーストラリアでの M&A を進めようとしている企業は、外国投資審査委員会に対する通知又はその承認が必要かどうか、またオーストラリアの国家安全保障上もセンシティブな不動産や事業の取得を伴う取引であるかどうかについて、特に注意を払う必要があります。既にオーストラリアで投資を行っている企業も(センシティブな産業であるかどうかに関わらず)、自らの投資における受動的な動きが今や外国投資規制の下での義務を発生させる可能性があるため、これをモニタリングする必要があります。

本コメンタリーは、オーストラリアにおける海外投資を考えている日本企業及び既に投資を実行している企業にも関心のあるトピックと考えられることから紹介する次第です。詳細は、Jones Day COMMENTARIES “Significant Changes to Australia's Foreign Investment Framework Commenced on 1 January 2021”(オリジナル英語版)をご参照下さい。

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